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 かかりつけ医通信    第72号   2004年11月29日発行
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    健康・医療のお役立ち情報・・・医療の現場から
 私達は、医療の現場で働く臨床医です。実際の診療やネット上から
 得た健康と医療の役に立つ情報を、市民の皆さんにお届けします。
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●「もしも、『混合診療』が解禁になったら…」
 http://www.med.or.jp/kaihoken/video.html

日本医師会制作のビデオです。
頼近美津子氏のナビゲーターで始まり、制度の紹介と、もしも混合診療が解禁
になった場合の事例が、3つのミニドラマ
  1.お金のあるなしで治療に差がつく
  2.安全性・有効性に疑義が生じることが多い
  3.民間保険での保障が必要となり、結果的にお金の有無に影響される
で収録されています。
約13分間の配信です。是非ご覧ください。
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▼目次▼
1) 新潟県中越地震後の病気
   a.エコノミークラス症候群
   b.たこつぼ型心筋症

2) 規制改革・民間開放推進会議について
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1) 新潟県中越地震後の病気
  
 10月23日に発生した新潟県中越地方を中心とした地震による被害は、1ヶ
月を経過した11月24日現在死者40人、重軽傷者2859人と報告され、災害
に遭われた方たちは、引き続く余震のなか、いまだに多くの方たちが避難所
生活を続けておられます。ストレスも限界に近いものと思います。そして現
地には厳しい冬の訪れが迫っています。一日も早い復興を祈っております。

平成16年新潟県中越地震に関する情報
http://saigai.pref.niigata.jp/content/jishin/jishin_1.html
被害状況
http://saigai.pref.niigata.jp/content/jishin/rireki_higai.html
 
 地震直後には外傷やクラッシュ症候群が知られていますが、その後の厳
しい避難所での生活や、ストレスによって予想しなかったような病気が発
生することがあります。
 新潟県のでも被災者等の健康対策について
http://saigai.pref.niigata.jp/content/jishin/kenkoutaisaku.html

 1 インフルエンザの予防
 2 こころのケアの対策
 3 エコノミークラス症候群の対策
 4 医療チームの派遣等
 現場ではこれらの健康被害に対して対策を行っているようですが、
 今回のかかりつけ医通信は、対策の一つで、地震後1-2週目に話題になっ
た「エコノミークラス症候群」と、その後2-3週で多発している「たこつぼ
型心筋症」について、簡単にご紹介します。

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a.エコノミークラス症候群

 新潟県中越地震では、エコノミークラス症候群で突然死する人が相次ぎ
マスコミにも報道され、新潟県でも避難所での対策に乗り出しています。

 エコノミークラス症候群という病気はありません。正式な疾患名は
「深部静脈血栓症とそれを原因とする肺梗塞」であり、「静脈血栓塞栓症」
ともいわれます。男性よりも女性にやや多く、40代後半から50代に起きや
すいとされています。

 原因は、外科の手術後、悪性腫瘍、外傷、運動能の低下などで血液の流れ
が滞ってしまう場合。血管内膜に異常がある場合。血液自体に固まりやすく
なる血液凝固障害がある場合、避妊薬などが考えられています。

 静脈血栓症は全身の表在性や深部のどの静脈にも起こりますが、下腿静脈、
大腿静脈、骨盤内深在静脈などの深部静脈血栓症は頻度も多く「肺梗塞」を
生じる危険があります。
 下肢の深部静脈が、血栓で詰まり、血液の流れが悪くなると、最初は脚の
筋肉がつったりする程度ですが症状が重くなると、腫れたり張るような痛み
が出たりします。そして血栓が脚から流れ出て、肺の血管に詰まると、命に
もかかわりかねない「肺塞栓症」を起こすことがあります。

 エコノミークラス症候群とは、その「静脈血栓塞栓症」のなかで、運動の
低下による特別な条件下で起こった場合の名称です。静脈血栓症が航空機内
のエコノミークラスの旅客から報告されたため、エコノミークラス症候群の
名前で知られるようになりましたが、座席のクラスに関係なく、また航空機
以外の交通機関や劇場でも一定の姿勢のまま長時間動かなければ、同様の危
険性があるといわれています。今回の避難地での発症は相次ぐ余震の恐怖か
ら狭い車での寝泊まりや生活を余儀なくされ、肺梗塞による死亡が起こった
ため、マスコミはいわゆる「エコノミークラス症候群」というタイトルで発
表しました。旅行者の発症頻度もそれほど多い訳ではありませんが、この状
態は気をつければ予防可能であり、航空機では長時間の飛行中に
 こまめに水分補給する、アルコールはほどほどに
 トイレに行く回数を増やす、出来るだけ歩くこと
 足の運動をする ・足を組んで座らない
などが指摘されており、避難所でも健康対策として指導されるようになって
います。 

関連サイト
平成16年新潟県中越地震サポート情報(健康、医療、衛生、福祉情報)
エコノミークラス症候群対策について
http://saigai.pref.niigata.jp/content/jishin/economy-taisaku.html

肺血栓塞栓症/深部静脈血栓症(静脈血栓塞栓症 ...予防ガイドライン
http://www.medicalfront.biz/html/06_books/01_guideline/

エコノミークラス症候群で突然死しない予防法
http://gendai.net/contents.asp?c=111&id=15324

いわゆるエコノミークラス症候群の現状と問題点
http://wwwsoc.nii.ac.jp/jsasem/sora_tabi_meeting/2001_3.html
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b.たこつぼ型心筋症

「たこつぼ型心筋症が続発 中越地震直後に18人診断」
「被災中年女性を襲うタコつぼ型心筋症」

地震後2-3週になってこんなニュースが報道されています。
http://www.excite.co.jp/News/society/20041121163710/Kyodo_20041121a458010s20041121163725.html

「新潟県中越地震の発生後2、3週間に、強いストレスなどで発症すると
考えられている「タコつぼ型心筋症」と診断された人が、被災地の長岡市
の病院で相次いだことが21日、分かった。死者は確認されていないが、
少なくとも50歳以上の女性18人が同症か疑い例と診断された。」

 たこつぼ型心筋症という、あまり聞いたことのない病気と思いますが、
最近注目されている病態ですので、簡単にご紹介します。
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○たこつぼ型心筋症(心筋障害)とは

 たこつぼ型心筋症(心筋障害)とは、1991年本邦の広島市民病院の佐藤
光先生らによって提唱された疾患で、中年の女性に多く、外科的侵襲や脳出
血・ストレスのあとに発症することがあり、突然の胸痛発作や呼吸困難など
で発病し、心電図も普通の急性心筋梗塞症とおなじような所見を呈しますが、
急性期の冠動脈造影では冠動脈の狭窄や閉塞などの異常所見が無いことが
多く、普通の心筋梗塞とは違っています。
 特徴は急性期の左室造影で心尖部に高度な収縮不全を認め、その収縮異
常の形態的特徴から「たこつぼ型心筋症」という呼称が用いられています。
ただ心筋症というよりも心筋障害という病態であり、ここでは(心筋障害)
を使っている専門家もいます。
 左室の収縮異常は一過性で、一般的には臨床経過や予後は良好ですが、
急性期にポンプ不全による高度の心不全をきたす症例も存在すると言わ
れています。

 急性心筋梗塞と考えられる症例の一部に冠動脈造影でが異常なく、左室
造影や超音波検査で、左室のいびつな収縮異常を認めた場合に、この診断
がなされますが、明らかな診断基準は無いのが現状です。

 発症の原因として、冠攣縮後の心筋気絶、心筋の微小循環障害(攣縮)、
心筋炎、心臓交感神経の過剰反応(障害と亢進)、神経液性因子の関与、
心膜心筋炎に起因する冠攣縮+心筋脂肪酸代謝障害などが疑われています
が、まだ原因はわかっていません。
 交感神経の障害・ストレスの関与と微小循環障害による可能性が強く疑
われています。

 今回中越地区での発症に現地の専門医は「地震や余震、避難生活が関係
しているとみるのが妥当だ」と説明され、原因は地震や余震、避難生活で
のストレスが関係しているのではないかという事です。
 臨床的には急性心筋梗塞ですが、こんな病態もあることを知っておいて
ください。
 そして一日でも早く被災された人たちがストレスのない生活ができる
ことを祈っています。
 
この疾患の専門サイト
たこつぼ型心筋症(心筋障害)を検証する- 核医学的検証を中心にして-
第7回日本心臓核医学会学術大会抄録
http://www.jsnc.org/forum2g.htm
たこつぼ型心筋症について
http://ishamaru-hp.hp.infoseek.co.jp/medical_tips/circulation/TCM.htm

総説
たこつぼ型心筋障害・またはたこつぼ(Ampulla or Amphora)心筋症
 本邦学会報告例の検討;
 河内祥雄 呼吸と循環 48巻 第12号 1237-1248
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○ 中越地震災害義援金について
 新潟県中越地震災害義援金の受け入れは、12月30日(木)まで
 行われています。
 ご協力お願いします。
http://saigai.pref.niigata.jp/content/jishin/suitou/gienkin.html
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2)規制改革・民間開放推進会議について 

 先日の毎日新聞報道によると「混合診療解禁をめぐって、政府の規制改
革・民間開放推進会議(議長・宮内義彦オリックス会長)や経済財政諮問
会議の民間メンバーが「医師と患者の選択にまかせるべきだ」と全面解禁
を迫るのに対し、「安全性が確立していない治療を提供されかねない」と
厚生労働省は反論、全面対決の様相となっている。」と報道されています。

 では政府の規制改革・民間開放推進会議とは何なのか、規制改革・民間
開放推進会議のホームページで調べてみました。
http://www.kisei-kaikaku.go.jp/index.html

規制改革・民間開放推進会議とは「総合規制改革会議(平成13年4月〜平成
16年3月)終了以降も規制改革をより一層推進するため、平成16年4月、内
閣総理大臣の諮問に応じ、民間有識者13名から構成される規制改革・民間
開放推進会議を内閣府に設置いたしました。」とされ、総合規制改革会議の
あとに組織されたものです。

会議の委員(敬称略)は下記の13名です。
 議長   宮内 義彦 オリックス株式会社取締役兼代表執行役会長
 議長代理 鈴木 良男 株式会社旭リサーチセンター取締役会長
 委員   神田 秀樹 東京大学大学院法学政治学研究科教授
      草刈 隆郎 日本郵船株式会社代表取締役会長
      黒川 和美 法政大学経済学部教授
      志太 勤  シダックス株式会社代表取締役会長
      白石 真澄 東洋大学経済学部社会経済システム学科助教授
      南場 智子 株式会社ディー・エヌ・エー代表取締役
      原 早苗  埼玉大学経済学部、青森大学経営学部非常勤講師
      本田 桂子  マッキンゼー・アンド・カンパニー・インク・
             ジャパン プリンシパル
      矢崎 裕彦 矢崎総業株式会社代表取締役会長
      八代 尚宏  社団法人日本経済研究センター理事長
      安居 祥策  帝人株式会社取締役会長

 会議の中の、医療ワーキンググループに専門委員2名が選任されています。
      阿曽沼 元博 国際医療福祉大学国際医療福祉総合研究所教授
      長谷川 友紀 東邦大学医学部公衆衛生学講座助教授

 ただ、この会議は医療だけでなく官製市場民間開放・国際経済・教育・福
祉保育・雇用・農業などを協議する会ではありますが、このメンバーをみて、
今回の医療制度に関わる改革で、委員に誰一人として専門家がいないこと、
言い換えれば国民の医療を決める改革を医療福祉に全く関係のない人たちで
決めてよいのかという疑問もあります。

 またこれらの委員の任命は内閣総理大臣の権限になっており、小泉首相の
意に従う委員しか選ばれていません。

 先日の読売新聞では「規制改革・民間開放推進会議の教育・研究ワーキン
ググループで、委員に内定していた会社社長が規制緩和の一部に慎重な意見
を述べたところ、内閣府の要請で委員就任を辞退させられていたことが16
日、分かった。 」とされ、「政府が定めた結論に合わせて人選しようとする
審議会の実態が露呈した形」と批判されています。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20041116it05.htm

 これでは反対意見は全く反映されない、すでに決められた路線を承認する
だけの委員会ではないでしょうか。
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●オリックス証券の宮内義彦ジャーナル

 もう一つ、この会議の議長に任命されている、オリックスの宮内氏の発言
に関して、見過ごせない書き込みを見つけました。
 判断は読者にお任せしますが、こんな人が議長となっている委員会に日本
の医療制度の行く末を任せることは危険だと思っています。

オリックス証券の宮内義彦ジャーナルの中の記事で、質疑応答の内容になっ
ています。
このページから医療関連の記事を引用します
http://www.orix-sec.co.jp/brk_jour/mj_11.html
      --------------------------------------------------------
――最も厚い壁は医療ですか。
 医療、福祉には確固たる「鉄壁の城」ができています。それを崩しにかか
るのですから、少々のことでは動きません。特に医療はGDPの7%という大
マーケットです。

――医療ではどのような方法で改革への道筋を作れるのでしょうか。
 医療は保険医療という日本独特のシステムが立ち行かなくなった。だから
保険制度を、小さくしようということになります。医療イコール保険だけで
はなく「自由診療も認めよ」という考え方です。公は保険、民は自由診療で、
公民ミックスで多様な要求に応じればよい。しかし医師会は反対です。制度
変更と同時に既存制度でも、もっと合理的にやれるのではないか――既存制
度の中身の透明度を高めようということです。

――具体的には。
 既存の保険制度のなかにある無駄を排除しよう、たとえば、報酬の出し方
が基本的に出来高払いですが、症状別の標準方式、定額払いという方向にも
っていきたい。国民の医療費をGDPの7%に抑えるというのはとんでもな
い。10%でも何でもよいと思います。国民がもっとさまざまな医療を受けた
ければ、「健康保険はここまでですよ」、後は「自分でお払いください」と
いうかたちです。
 金持ち優遇だと批判されますが、金持ちでなくとも、高度医療を受けたけ
れば、家を売ってでも受けるという選択をする人もいるでしょう。
 それを医師会が止めるというのはおかしいのです。医療サービス、病院経
営には民間人の知恵を入れるべきでしょう。企業が病院を経営してもよい。
利潤動機の株式会社に、人の命を預かる医療を担わせるとは何事かと言われ
るわけですが(笑)。
   ------------------------引用ここまで----------------------

 これからわかることは、オリックスは医療を自社の商売のマーケットに考
えており、医療は今後の大マーケットであり、民間に開放すべきという主張
で、混合診療に関しては、自由診療の保証のためには民間保険でまかなえと
いう自社の利益誘導に近い発想です。医療をセーフティネットと考えるよう
な発想は全くありません。
 先日民主党の桜井議員が国会で「宮内議長は関連企業の利益誘導」ではな
いかと質問されています。その質問内容を見ると一般人には、誰が見ても、
オリックスの医療関連部門の収入が増えているのですから結果的には「利益
誘導」はあるわけですが、政府は「公正に規制改革・民間開放推進会議の運
営を行っていると承知している」とだけ述べて退けています。

 また最初に紹介した毎日新聞報道では、これに関係して「推進会議が混合
診療解禁に熱心なのにはもう1つ別の理由もある。それは「いったん混合診
療の対象となった医療技術はその後も保険適用されず、それが公的保険全体
の費用膨張を抑える可能性が高い」ということだ。推進会議はもともと企業
や現役世代の医療費負担を抑制する考えが強く、それは財務省、経済界の意
向とも合致する。公的保険が縮小すれば民間保険がとって代わる余地が生ま
れる。厚労省幹部は、オリックスが民間保険市場に参入していることを挙げ
「商機拡大をもくろむ意図が透けて見える」と非難する。」と利益誘導型の
推進会議を批判していますので、政府が公正に運営を行っているといいわけ
しても、世間はそう思わない・そう思えないのではないでしょうか。

http://www.mainichi-msn.co.jp/kagaku/medical/news/20041118k0000m040167000c.html

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● 利害の抵触
 規制改革・民間開放推進室の職員名簿 
 161 臨時国会 厚生労働委員会 質問 2004年11月11日(木)
「混合診療解禁」/保険会社の利益狙いだ/参院委 
   小池議員が追及(関連記事)
http://www.a-koike.gr.jp/hilight/2004/gijiroku/2004_11_11.html

------------ 引用 ------------------------
小池議員
 こうしたことを考えていったときに、内閣府の規制改革・民間開放推進室の
職員名簿をいただいたんです。私、見て、これ驚いたんですが、ごらんいただ
けるように、室員二十七名中十四名が民間企業からの出向なんですね。しかも
企業名、これ見ると、オリックス、セコム、第一生命、三井住友海上、東京海
上火災保険、これ、結局、どういう企業かというと、ほとんど混合診療で保険
商品を売り出そうとしているような企業ばっかりなんですよ、これ。これが役
所なのかと、私、見て目を疑いましたね、はっきり言って。もう内閣府の殻か
ぶった企業集団ですよ、これ。私、これ内閣府に、なぜこういう人たちを選ん
だのか、お聞きしたい。

政府参考人(河野栄君)
 お答えをいたします。

 規制改革会議、規制改革・民間開放推進会議そのものが民間の委員の方の知
見を生かしつつ規制改革に取り組むということで、民主導で取り組んでおりま
す。事務局につきましても、そういった民間の方々の経験なり知識も活用した
いということで御出向いただいているところでございまして、今御指摘ござい
ましたように、現在の室員のほぼ半分は民間からの出向者でございますけれど
も、これは事務局員も内閣府の職員として現在は真摯に業務に取り組んでいた
だいているところでございまして、御指摘のような問題はないものと考えてお
ります。

http://www.a-koike.gr.jp/hilight/2004/h2004_11_13.html
------------------引用終わり-------------------

 規制改革・民間開放推進室の委員や職員の名簿をみて、小池議員がのべて
おられるように、「そんなの言い訳にならないんです。民間といったって、民
間というのは企業だけじゃないんです。例えば医療を受けている患者さんであ
るとか、医療従事者であるとか、病院の関係者とか、あるいは医療関係以外の
市民だっているわけで、それで、民間というので選ぶのはほとんどもうこれ、
要するに混合診療で一番期待をしている企業の人たちばっかりじゃないですか。
何でこれで、あなた、これで行政の中立性担保されると思いますか。」
前述した桜井議員の質問と併せて、これは利害の抵触といわず何というのでし
ょう。
 混合診療解禁によって、医療関連の巨大マーケットに群がるハイエナ集団
に審議されているのです。

 審議している会議が、本来の医療制度のあり方を審議するのではなく、経済
優先の既定路線に沿った審議を行い、その委員や職員が、混合診療により利益
を受ける保険会社の関係者というのです。そして、委員に任命していても、
反対する委員を解任したり、反対の組織をつぶそうという戦略が議論されてい
るのです。
 本当にこの人たちに、日本の将来を任せてよいのでしょうか。

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おりますので、事前の承諾なしにメルマガに掲載させていただく場合がござい
ます事をご了解下さい。匿名などのご希望や、掲載を望まれない場合には、そ
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【発行】「かかりつけ医通信」発行委員会
 当委員会は、趣旨に賛同した医師による、自発的な会です。
 他の既存の団体や会社に所属しているものではありません。
【編集】
(委員長)長島公之:長島整形外科(栃木県) 整形外科医
      http://www.docbj.com/
(委 員)五十音順
 安藤潔:荒川医院(東京都) 内科医
  http://www2u.biglobe.ne.jp/~andoh/
 外山 学:益田診療所(大阪府) 内科医
  http://www.toyamas.com/masuda/
 本田忠:本田整形外科クリニック(青森県) 整形外科医
  http://www.orth.or.jp/
 牧瀬洋一:牧瀬内科クリニック(鹿児島県) 内科医
  http://intmed.exblog.jp/
 吉岡春紀:玖珂中央病院(山口県) 内科医
  http://www.urban.ne.jp/home/haruki3/index.html
 吉村研:吉村内科(和歌山県) 内科医
  http://www.nnc.or.jp/~ken
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