●ほくろと皮膚がん、画像解析で早期に区別 慶大など開発 ほくろと、皮膚がんの一つ悪性黒色腫(メラノーマ)を9割以上の精度で見分けられる画像解析システムを、慶応大学などの研究グループが開発した。初期の黒色腫は、ほくろと区別しにくい。専門医でも8〜6割程度とされ、診断にばらつきがあった。新システムは診断の質を向上させ、早期発見につながると期待される。 田中勝・助教授と岡博史・助手(皮膚科)らがイタリアなどの研究者と共同で取り組んだ。近く英医学専門誌メラノーマリサーチで発表する。 黒色腫は、メラニン色素を作る細胞などの異常が原因で起きる。皮膚がんの中で悪性度が高く、白人に多い。日本では年に1500〜2000人が発病するとみられる。 早期に手術すれば9割以上が治るが、発見が遅れてほかの臓器などに転移すると治療は難しくなる。診断は一般に臨床症状から総合的に判断する。日本では組織検査は転移につながるとの考えがあり、ふつう行われないという。 グループは皮膚の状態を詳しく見る医療用拡大鏡(ダーモスコープ)の画像をもとに研究した。イタリアなどから患者59人分とほくろ188人分の画像を提供してもらって形や色などを数値化。コンピューターで処理して黒色腫を見分ける方法を開発した。 統計学的に分析したところ、皮膚表面からの深さが0.75ミリ以内の早期の場合の精度は約94%。極めて初期(深さ0.2ミリ以内)でも、約74%の精度で診断できた。 グループは、さらにデータを積み重ねて実用化を目指す。 将来的には患者がカメラ付き携帯電話などで皮膚を撮影。画像を電子メールで送ると、分析結果が返信されてくるシステムを作りたい考えだ。 (04/02 06:18)
●救急隊による除細動でも患者接触から6〜8分、大阪での実績報告大阪府は全国でも早くから救命救急活動に熱心で、日本では最先進地域と言ってよい。それでも119番通報で救急隊が駆け付け、隊員が患者に接触してから除細動が実施されるまでに、中央値で6〜8分もかかっていた。心停止で昏倒してから除細動までの時間は実に14〜18分間にもなる。報告は2003年4月に救急救命士に包括的指示による除細動が認められる前のものであり、救急隊や医師の努力で年々時間が短縮しているとはいえ、日本の救命救急活動の水準がまだ努力の余地があることを物語っている。日本循環器学会で、27日午後の一般口演「Emergency Care」セッションで大阪府三島救命救急センター救急科の森田大氏が報告した。森田氏らの研究グループは、1998年5月から2001年4月までの3年間に大阪府内で発生した病院外心停止事例を前向き調査とした。大阪府内の全36消防本部に119番通報があり、救急隊が蘇生した後、救急医療機関に搬送した事例のうち、倒れるところを市民が目撃した心原性(推定)の心室細動例492例を対象とした。院外心停止例は大阪府の場合、年間で4800〜5000例発生しており、このうち、昏倒時に市民に目撃された事例、いわゆるバイスタンダーがいる例が2955例あった。このうち除細動の適応になる心室細動症例は492例だった。心停止があった場所は家が68%と最も多く、道路を含む公共の場所が15%、老人ホームが5%でそれに次ぐ。医院内の事例も2%あった。ただし、家では心室細動例は10%と少ないのに対し、屋外では心室細動例が3分の1以上を占めるという。1998〜1999年には、163例の該当事例があった。同年には通報から救急隊が現場に到着して患者に接触するまでは中央値で6分間と早いのにもかかわらず、接触から除細動までに8分間を要していた。心停止による昏倒から除細動までに要した時間の中央値は実に18分間にもなる。34.1%の事例でバイスタンダーによる心肺蘇生が施されており、1年生存率は7.3%だった。その後、年を追って改善が見られ、1999〜2000年には接触から除細動まで7分間、2000〜2001年には6分間に短縮された。これに伴って予後も改善し、1年生存率はそれぞれ、9.0%、13.7%と向上している。森田氏は、「包括的指示による除細動の導入によって、除細動までの時間短縮がどれだけ可能になるか、成果が期待される」としている。本年度には、一定の講習を受けた市民に対する除細動の限定的解禁が予定されており、これらの措置によってどれだけ救命率が向上するか、今後さらに関心が高まりそうだ。(中沢 真也)
●医療用大麻で搭乗拒否された男性、許可が妥当と当局 2004.03.30Web posted at: 20:35 JST - APフロリダ州フォートローダーデール(AP) 骨の病気に冒され、医療目的での大麻使用を政府から認可された株式ブローカーのアービン・ローゼンフェルドさんが2001年、フォートローダーデールの空港でワシントン行きのデルタ航空に搭乗しようとした際、拒否された問題で、米政府当局者は26日、搭乗を認めるべきだったとの見解を示した。 ローゼンフェルドさんは差別を受けたとして、米運輸省に異議を申し立てていたが、同省は「ただのスタンドプレーだ」と判断、却下している。ローゼンフェルドさんは上訴する方針。 ローゼンフェルドさんは筋肉のけいれん、内出血、腫瘍(しゅよう)を引き起こす、まれな骨の病気を患っており、大麻を吸引する以外に症状を和らげる方法はないとされる。1982年に政府の医療用大麻プログラムに参加し、医薬としての大麻使用を許可された。現在は大麻タバコを1日に約12本吸っている。 プログラムは92年以降、新しい患者を受け入れておらず、医療目的での大麻使用を許可されているのは現在、ローゼンフェルドさんを含め米国内で10人以下。
CNN.CO.JP
●腕などに卵巣移植、卵子育成し体外受精 サルで出産成功 サルの卵巣を腕や腹に移植して卵子を育て、体外受精によって別のサルに出産させることに、米オレゴン健康科学大の研究チームが成功した。マウスや羊で先例はあるが、人に近いサルでは初めてだ。この技術が確立すれば、がん患者が放射線治療などを受ける前に卵巣を保存し、治療後に自分の子どもを産むことが可能になる。11日付の英科学誌ネイチャーで発表される。 同チームはメスのアカゲザル7匹から卵巣を取り出し、その一部をそれぞれの腕や腹、腎臓に移植。人の排卵誘発剤を投与するなどして、未熟な卵子の成長を促した。 7カ月後にうまく育った複数の卵子を取り出し、オスの精子と体外受精させた。3匹のメスの子宮に受精卵を入れた結果、昨年、子ザル1匹が生まれた。体重500グラムの健康体で、ブレンダと名付けられた。 9日付の英医学誌ランセット電子版によると、米コーネル大のチームががん治療を受けていた女性に対し同様の卵巣移植をした。育った卵子を体外受精させ、子宮に戻したが、妊娠しなかったという。 ◆福島県立医大の柳田薫助教授(生殖内分泌学)の話 サルで卵巣移植から出産まで成功したことは、人への応用に向けた一歩だと言える。ただ、人で実際に試すには、倫理的な問題も十分に検討されなければいけない。 (03/11 03:03)
朝日新聞
●ツベルクリン反応全廃、1歳までにBCG全員接種へ 結核が若年者で減っていることなどを踏まえ、政府は5日、結核予防法の改正案を閣議決定し、国会へ提出する。予防接種前に結核菌に対する免疫の有無を調べてきたツベルクリン反応検査を全廃し、予防ワクチンのBCGを1歳ごろまでに全員が接種する方針に切り替える。今国会中の成立を目指し、来年4月から施行する見通し。 現在は乳幼児期にツベルクリン反応検査と、陰性だった場合のBCG接種が行われている。 結核が多かった時代には、日本人の多くが結核菌に感染し、免疫を持っていた。このため、いきなり予防接種をするのではなく、免疫の有無を確かめるためにツベルクリン反応の検査が行われてきた。だが、子どもの感染が激減して、ツベルクリン反応で感染を見つける効果が低くなり、逆に、疑陽性が出てBCG接種の機会を逃すという問題点が指摘されてきた。 今後はBCGを全員が1歳ごろまでに1回接種するように切り替える。BCGは複数回接種しても有効性に変わりがないとみられ、小学1年と中学1年の接種は同時期のツベルクリンとともに03年から廃止されている。 また、改正法では高齢者や医療従事者ら感染リスクの高い人の健康診断を充実させるほか、医師に対し、患者が治療薬を確実に飲み続けるための指示などを義務づける。 (03/04 11:44)
朝日新聞
●自治体病院、医師偏在解消へ再編 厚労など3省合意 厚生労働、総務、文部科学の3省は26日、全国に1000余りある自治体病院を地域の実態に応じて再編し、医師を重点配置する地域医療対策に合意した。高度な医療をする中核的な病院と初期診療を担う病院や診療所の機能分担を図る。再編計画を策定し、医師不足が深刻な地域などに限って、医師の配置基準を3年間、引き下げる特例措置を新年度初めにも実施し、促進策にする考えだ。 全国の医師数はほぼ充足しているのにへき地、過疎地など地域によって、医師不足が生じている。このため名義貸しや医師確保のため病院が大学側に寄付をするなどの問題が出ており、3省が対応策をまとめた。 病院の再編は、複数の市町村にまたがる広域医療圏で、各自治体が競うように総合病院を設置してきた結果、同規模で同じような診療科を持つ病院ができ、これを機能別に整理する。 例えば、ある地域で一つの病院に医師を集め、高度な医療や救命救急を担う「中核となる病院」に指定する。脳血管障害、心臓病など難度の高い手術や治療にあたる。 一方、中核病院の周辺にある病院や診療所は、入院ベッド数や診療科を減らす。お年寄りに多い慢性疾患などは、ここで診てもらう。患者が急変した場合には中核病院に搬送。周辺の病院や診療所に医師が不足した時には、中核病院から派遣する。 国はどのように再編するかなどのモデル案をつくり、方向性を示す。都道府県は、大学病院、医師会、地域の病院、住民、自治体などが参加する「地域医療対策協議会」を設置し、具体的な再編計画を詰めることになる。 医療法では、外来患者や入院患者数に応じて、医師が何人必要かの配置基準を定めている。医師数が大幅に下回った場合、診療報酬が減額される。 厚労省は、再編計画が着手された場合のみ、外来患者あたり医師数の配置基準を特例的に緩和することにした。 3省は、地域や診療科によって医師がどう偏在しているかを分析して、「医師需給見通し計画」を見直す。さらに医科系大学の入学定員に「地元枠」を設けることなども検討する。 (02/27 06:05)
朝日新聞
●難病のALS、神経細胞の構造に違い 東大グループ発表 全身の筋肉が動かなくなる原因不明の難病、筋萎縮(いしゅく)性側索硬化症(ALS)で、患者の神経細胞のたんぱく質の一部が通常の構造と異なっていることが東京大学の郭伸(かく・しん)・助教授(神経内科)らの研究でわかった。発症の原因を解き明かす手がかりとして、難病治療に道を開く可能性がある。26日付の英科学誌ネイチャーで発表する。 ALSは運動神経が徐々に衰え、全身の筋肉が縮んで動かなくなる。10万人に数人の割合で発症し、国内の患者は5000〜6000人と推定される。患者の1割は遺伝性とされるが、残る9割は原因がわかっていない。 研究グループは、神経細胞の連結部分(シナプス)に多くある「AMPA受容体」というたんぱく質に注目。遺伝性でないALS患者5人の骨髄の神経細胞を調べた。その結果、発症した部位の細胞では、このたんぱく質成分のアミノ酸の一つが通常のアルギニンとは異なるグルタミンに置き換わったタイプが3〜6割含まれることを突きとめた。 このタイプの受容体たんぱく質は、神経細胞内にカルシウムイオンを過剰に取り込むことが知られており、それが細胞死につながるとみられる。郭助教授は「正常な受容体を補うか、体内で作れるようにする方法を探せば、治療法の開発につながる可能性がある」と話している。 名古屋大学の祖父江元教授(神経内科)の話 従来の研究は遺伝性ALSが中心で、患者の大部分を占める(遺伝と関係ない)孤発性ALSには手が付けられていなかった。今回の発見は発症原因の手がかりを示すもので、治療法開発への非常に重要な一歩だ。 (02/26 11:15)
朝日新聞
●研修医4人に1人、1〜2カ月でうつ状態に 文科省調査 病院で臨床研修を始めた研修医の4人に1人が、1〜2カ月後には「うつ状態」に陥っている。そんな深刻な実態が文部科学省の研究班の調査でわかった。勤務時間の長さや受け持ち患者の多さが一因になっているとみられる。「必要な検査や処置をしなかったことがある」と答えた研修医の中で、うつ状態の人の割合は高く、うつの早期発見が医療事故の防止につながる、と研究班は指摘する。22日に川崎市で開かれる日本総合診療医学会で発表される。 協力の得られた全国40カ所の病院(大学病院8、一般病院32)で、昨年春から研修を始めた341人を対象に調査した。研修開始直後と1〜2カ月後の2回、アンケート方式で調べ、気分の落ち込みなどを質問する「CES−D」と呼ばれる測定方法で判定した。 その結果、1〜2カ月後の時点で、うつ病と診断される可能性の高い「うつ状態」と判断されたのは132人(39%)に上った。このうち、研修が始まってから新たにうつ状態となった人は86人(25%)おり、調査対象者全体でみて4人に1人の割合だった。 新たにうつ状態になった人は、それ以外の人に比べ、受け持ち患者数が1.7人多い8.05人、週の勤務時間も3.3時間多い81時間だった。一方、1日あたりの自由時間は1時間37分で、40分少なかった。 また、うつ状態の研修医は、「本来なら行うべき検査・処置をやらなかった」ことが「非常にある」「まあまあある」と回答した28人のうち22人(79%)を占めた。「医療事故を起こしそうになった」と回答した19人のうち14人(74%)も、うつ状態の研修医だった。 調査をまとめた筑波大臨床医学系の前野哲博・助教授は「労働環境の改善はもちろん、やりがいを感じる仕事を与えるなどストレスの緩和に配慮する必要がある。うつの予防・早期発見が安全な医療につながる」と指摘している。 (02/22 11:58)
朝日新聞
●ミス多い医師に研修、事故報告義務化 日本産婦人科医会 産婦人科開業医ら約1万3000人が加入する日本産婦人科医会(坂元正一会長)の理事会は、会員に医療事故の報告を義務づけ、ミスを繰り返す医師には研修をする方針を決めた。報告や研修に応じない場合は除名処分も検討する。3月の総会で正式決定し、4月から実施する。目立つ産婦人科医の医療ミスを防ぐのが目的だ。 同会は都道府県支部ごとに医療事故安全対策委員会を設けて会員から事故報告を受け、過誤の有無を調べる。たとえば、妊産婦や新生児の死亡、新生児の脳性まひなどの重大事故、訴訟になった事例が対象となる。 重大なミスを繰り返したり、社会的な信頼を大きく損なったりした医師には、指導や特別研修を受けるよう求める。改善がみられないときや、求めに応じない場合は処分もありうる。 処分は戒告、除名のほか、人工妊娠中絶が認められる母体保護法指定医の資格停止を都道府県医師会に要請することも想定している。 同会によると、日本医師会医師賠償責任保険の支払いのうち産婦人科は50%を占める。過去30年間で4回以上の事故を繰り返した医師は全体で約30人いるが、多くが産婦人科医だという。 (02/23 00:02)
朝日新聞
●禁煙指導、主治医が直接 医療9学会が指導指針づくり 「喫煙を続けていては、病気の治りももうひとつですよ」――病院などで、患者に治療と並行して禁煙を求めるため、循環器、呼吸器、産婦人科、歯科など9学会が、指導指針づくりに着手した。個々に禁煙の勧めに取り組んできた学会はあったが、縦割りを排して指導を充実させる。喫煙者にとっては、どの科を受診しても指導がついて回ることになりそうだ。 喫煙の害は全身に及び、がん、脳卒中、心臓病、肺気腫、歯周病、胎児の発育障害など、さまざまな病気に関係する。健康状態が低下して他の病気の回復にも響くと懸念される。効果的に治療し、再発を防ぐためにも禁煙は大前提だ。 このため、全館禁煙にしたり禁煙外来を設けたりする病院も増えているが、健康増進法施行など、一般社会でも禁煙への動きが加速しているのを受け、「命と健康」を預かる医療現場で取り組みを一段と強める。治療効果の面だけでなく、受診を、禁煙に踏み切るきっかけにしてもらう。 参加するのは日本循環器学会、日本心臓病学会、日本呼吸器学会、日本肺癌(がん)学会、日本小児科学会、日本産科婦人科学会、日本口腔(こうくう)外科学会、日本公衆衛生学会、日本口腔衛生学会。 昨年末、各学会合同の指針作成班をスタートさせた。喫煙の害についての各分野の医学的知見や、現場での経験を持ち寄ってまとめる。この夏にも完成させ、全国の病院や診療所の医師に活用してもらう。 喫煙の害とその伝え方、ニコチンガムやパッチといった禁煙補助剤の使い方などの指導方法、患者の病気や生活習慣に応じた効果的な禁煙指導の手順を、一般の医師が行いやすいように示す。患者の主治医が直接指導することで、高い効果が得られると期待される。 (02/22 16:56)
朝日新聞
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